天滝
日本の滝百選 《 天滝渓谷 》
【 兵庫県 養父市 】
落差98m 水量適度 、百選の名に恥じぬ 唯一無二の景観 で、見応えある 非常に美しい滝
滝前で出会った人 (滝巡りの話 第19話 後半参照) に、 「 なぜ美しいと感じるのでしょうか? 」 と尋ねたところ、
『 落差だけでなく 流域面積が広いから 』 という回答、
なるほど、確かにシンプルな直瀑とは異なる、分岐瀑ならではの 趣 があります ♪
実際に上空 (空撮映像参照) から眺めると、 滝口から末端までの距離が長いことに加え、広範囲の流身 が確認できます。
おそらく 岩壁の絶妙な傾斜と造形 が末広がりの流身を生み出し、限られた水量で最大限美しく 魅せていると感じました。
滝巡りの話 第19話 『 印象への影響力 (その2) 《天滝渓谷編》 』 滝の見応えに影響する要素は何はともあれ 落差 と 水量 です。 それを体感できたのが 天滝渓谷 本流にある7滝で、その変化は非常に顕著、 同じ水量で、この違いは何? という 驚きと素朴な疑問 が生まれます。 左の画像は 天滝 の滝口、右は末端、下は上空からの全体像です。 水量は意外に少なく 下流の 鼓ケ滝 や、 5滝 ( しのび・岩間・ 連理・久遠・夫婦 ) と同程度だと思います。 しかしながら、 見応えには圧倒的な差 があり、特に 鼓ケ滝 を除いた5滝は ビミョ〜 ( 滝巡りの話 16話 ・ 17話 参照 ) な感じが漂い、正直なところ単体として印象に残るような滝ではありませんでした。 その要因の大部分は、 落差の違い によるもので、 天滝の約100m と 他の5m〜10m とでは圧倒的な差、それがそのまま見応えに反映された感じ。 一定以上の水量が存在するという前提で、滝の規模を客観的に判断できる基準は 落差 であり、 見応えに直結する 最も重要な要素 です。 「 そんなの当たり前のことだろ! 」 という声が聞こえてきましたが・・・(笑) では、(一定水量がある前提で) 滝の最終的な印象 を決定付ける最重要の要素も 落差 なのでしょうか・・・? さて、もう一つは 水質への疑問 です。 本流を流れる 6滝 ( しのび・岩間・ 連理・久遠・夫婦・鼓ケ滝 ) を下流から順に観賞した際、 水の透明度は十分高いものの、 何か違和感 がありました。 その違和感への答は 天滝 で出会った人との会話の中にあり、その人は地元民で長年無償で 天滝 の遊歩道を整備、
訪問時も 転落防止のための安全柵(天滝左岸)を補修 していました。 雑談を交え 天滝 の魅力や整備の話等で盛り上がり、その中で気になっていた 水質について 尋ねたところ、 何度見ても美しい 天滝 、正直俄かには信じ難く、疑問は更に膨らみます。 その後、Google マップの衛星写真を確認してビックリ、それが事実であると分かり、 滝の魅力とは何か? を探る旅は今後も続きます・・・。
『 天滝は 日本一美しい滝 』 と熱く語っていた有志の方(73歳)、個人で活動されているとのことでした。 天滝渓谷 に限らず、山スキルの乏しい私が気軽に滝を愉しむことができるのも、このような 地元民の献身的、かつ継続的な活動があってこそ と改めて 実感、 更に別れ際、感謝の意を伝えた際に見せてくれた満面の 笑顔 、それらは 渓谷全体の印象にプラスの影響を及ぼした ことは間違いありません。 |
【 現地案内板より 】
天瀧は、県下最高峰の氷ノ山を源流に落差九八M(平成二年実測)と県下一を誇る名瀑で、その名の通り天から降るかのように流れ落ちる雄大さから、平成二年に「日本の滝百選」選定されています。
この天瀧は、古く「大和長谷寺縁起」や「役の行者本記」にも書かれ、また、弘法大師が仏運興隆の地を求めて全国行脚した際、滝の霊気に打たれて「この地こそ仏陀の我に恵み給いし聖地」と谷の数を数えたところ、千に一つ足らなかったため、居を高野山に求めたとの伝説が残っています。
また、登山口からの渓谷沿いの遊歩道は、原生林に囲まれ「森林浴の森日本百選」にも選定されています。
《 大屋町・筏区・天滝を生かす会 》
【 アクセス等 】
立派な駐車場があります。
ただし、ピーク時はかなり混雑するようです。
駐車場 マップコード 532 284 493*78
遊歩道入口から天滝までは約40分の道程
天滝までの距離1.2KM 標高差196m
遊歩道整備とはいえ登山道気味、御気楽気分での訪問は避けたほうが良さそうです。