箕面の滝(箕面大滝)

日本の滝百選】 大阪府の滝・箕面市

箕面の滝1 箕面の滝2
箕面の滝3

 大阪府唯一の百選滝で、明治の森箕面国定公園の北端、箕面川の途中を優美に流れ落ちています。

 落差は約33m、訪問時は水量十分で中々の見応え、落差50m超級滝のような強烈な雰囲気はありませんが、百選の名に恥じぬ立派な滝です。

 公園内ということで滝前は整備されており、誰もが装いに関係なく気軽に眺められます

 整備については賛否両論あると思いますが、私はここぞとばかり右手に「アイスクリーム」左手に「もみじの天ぷら」を握り、通常とは一味違う観光滝ならではの滝観を楽しみました。



 余談ですが、この滝の訪問に際し電車を利用、初めて「阪急箕面線」に乗車し箕面駅に降り立つ。駅前の案内所で滝までの道程を尋ねると、全て舗装路だが距離は3キロ弱、高低差は100m程度あり予想所要時間45分とのこと。

 訪問時間の制約も含め往復を徒歩ではキツイ(別件で大阪を訪問しており、滝巡りの装いではない)と思い、登りとなる往路はタクシー利用で滝近くにて下車、復路は整備された遊歩道を歩いて駅まで戻ってきた。

 それにしても、市街地が近いにもかかわらず、自然豊かな箕面公園には驚いた。箕面川の水は清冽とは言い難い状況ですが、水遊びには問題ない?レベルです

滝巡りの話  第9話 『 人為的要素と観光滝ならではの光景 』



 箕面の滝訪問前に、一つだけ気になる事があった。
 それは滝水に人為的な要素が含まれているとの情報である。


 滝の理想的な姿とは、人の手が一切加わっていない自然そのままの状態なのは言うまでもないだろう。 長い年月をかけて創り出された景観にこそ、何度も、何時間眺めても飽きることの無い滝本来の魅力を感じる。 そこに何らかの人為的な要素が加わると、目障りで滝の魅力が減退してしまう。 滝壺にペットボトルが一つ浮いているだけで、何とも後味の悪い滝観に、まして人工的な造作が視界に入ろうものなら・・・。


 「手付かずの自然が一番!」とはいえ、人々の営みにおいて様々な目的があり、何らかの手が加えられてきた。 それは、災害対策、水の有効利用、崩落防止、インフラ整備、また地域活性化であり、費用対効果の差はあっても無意味な工事は少ないはずだ。
 例えば日本を代表する栃木県の「華厳の滝」、様々な理由があり上流部で放水量を調整、極端な話、水を完全に止め、滝を消滅させることも可能なのだ。 また、左岸壁は崩落防止のための大規模な造作が施されており、 手付かずとは程遠い状況にあるが、それも必要な措置であり放置すれば人々に被害が及ぶばかりか、現在の景観を維持できない状況にもなってしまうのである。


 さて、箕面滝に話を戻そう。位置関係は地図を見て頂くとして、『滝の上流域に国道423号のバイパス「箕面グリーンロード(トンネル)」が整備された。 その結果として滝(箕面川)の水が減少、更にはトンネル内に湧き出した水をポンプで汲み上げ、滝から3.4キロメートル上流に戻している』という。 最初にこの情報を知った際、滝水の大部分がポンプで汲み上げられたものと勘違いしてしまったが、箕面市の見解によると、「汲み上げているのは事実だが、 その水量は僅かでありポンプを止めたからといって滝が消滅するようなことはない」とのことである。


 実際の滝前に立ち、滝水について若干複雑な心境ながら、眺めていて不快に感じる程の人為的要素はなかった
  それとは別に、人の多い観光滝は正直好きではないが、観光滝ならでは利便性に加え、目を輝かせ滝に見入っている観光客の姿はとても印象的、老若男女、多くの人が滝の美しさに惹かれている姿を見られるのも観光滝だからこそ、別の意味で滝の魅力を再認識している自分がいた。

 帰路の途中、先程見た多くの人が滝前で笑顔を見せている光景を思い出しながら
「やっぱり滝って良いものだな」「世の中に滝が嫌いな人はいるのだろうか?」
そんなことを考えていたら、何時の間にか箕面駅が目前  「あれっ、45分も歩いたかな?」


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【アクセス・その他情報】

 車で訪問する場合は、滝の上流側の大日駐車場(特定期間・特定時間は有料)から10分弱

 箕面駅からは公園内に遊歩道整備で1時間弱程度、往路は登りになるのでタクシー利用もあり?

 箕面名物の「もみじの天ぷら」片手にゆっくり歩くのも・・・

 途中、猿をみかけましたので、念のためご注意ください。何を注意するのかというと、猿に餌をあげると条例により罰金らしい・・・



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