行 者 滝


【 日本の滝百選 (赤目四十八滝) 】 三重県名張市

行者滝・赤目四十八滝

 一般的な観賞ルートである、下流側(日本サンショウウオセンター)からスタートした場合に、最初に出会う滝です。
 落差5m、特筆すべきは滝壺を満たす水の透明度と色合い、 滝としては正直 ビミョ〜 でしたが、この綺麗な水が確認できたことで、先への期待感が一気に高まりました。



 滝巡りの話  第16話   『 ビミョ〜 な話  (その1) 』



乙女滝(赤目四十八滝) 滝が大好きな私にとって、新たな滝との出会いは常に驚きと感動に満ち溢れているのですが、 同時に ビミョ〜(笑) な印象を受ける滝があります。
 ここでいう ビミョ〜 とは大きく二つ、 滝の本質から生じるもの と 本質以外から感じるもの です。
 そこで、今回は客観的に誰もが認識できる前者に焦点を当て、 ビミョ〜 な部分を少し探ってみようと思います。


 最初に誤解が生じるといけないので確認しておくと、 微妙 ではなく ビミョ〜 と記載しているのには理由があります。


 私が「迸る水」のHP内で示す ビミョ〜 については 一見してマイナス要素が強い、 もしくは プラスとマイナスの要素が混在する中でじっくり観賞した後に、最終的に残念ながらマイナスの印象が強くなってしまった という過程も含まれています。
 それは、本質から生じる ビミョ〜 は明らかにマイナス要素が強い滝、本質以外から感じる ビミョ〜 には  プラス要素も多分に含まれている ということになり、同じ ビミョ〜 でも、本来の 微妙 という言葉の意味との違いだけでなく、ニュアンスの異なる二つの意味があります。



 さて、大好きであるはずの滝の一部において、 『 ビミョ〜 な印象を受けてしまうのは何故か? 』
 を考えてみると、三つの理由が思い浮かびます。

 ① 本質的 ② 違和感 ③ ギャップ

姉妹滝(赤目四十八滝) ①は正に今回のお話で、②と③については本質以外から感じるものです。先に①以外について触れておくと、

 ② については、 (とりあえず)何か違和感 がある滝 です。 これには様々な要素が複合的に影響し、例えば「 落差は大きいのに・水量豊富なのに・水は綺麗なのに・良い滝なのに 」
 『・・・なのに、何かビミョ〜!』 に感じる滝があり、その原因が特定できる時と出来ない場合があります。
 なお、②については影響する要素がいくつか存在しているので、該当する滝の掲載時に別話として記したいと思います。

  ③については以下の説明で完結するもので、
  期待 と 実際 との差がマイナス方向に大きかった場合、  例えば、通販や飲食店の写真・説明・口コミ等から事前に期待(予測)したものと、 実際の見た目や使い心地・雰囲気や味付け等が相違していた場合に感じる、複雑で何とも言えない ビミョ〜 (何かしっくりこない・損失・後悔 等) が近いと思います。


  時には ビミョ〜 を通り越し落胆に至る場合もありますが、逆に サプライズ(良い意味で) なんてことも。
 滝巡りではこの サプライズ のケースが多く、新たな出会いはいつも ドキドキ・ワクワク なのです。


骸骨滝(赤目四十八滝) では本題である ①の本質的ビミョ〜 ですが、
 滝の印象に影響する要素は何はともあれ 落差 と 水(量) です。両者のどちらか一方でも欠ければ滝として成立しませんので、 この二つが 滝の本質 であり、落差が大きく水量豊富であれば見応えが増し、逆の場合には (とりあえず)ビミョ〜 な雰囲気が漂います。


 もちろん 落差・水量 以外の要素である、滝の幅・滝壺の大きさ・滝前空間の広さ・滝の形状・水の透明度や流れ方・ 岩の造形や植物等を含めた全体の景観・雰囲気・人為的要素・時季・天候・人の多さ(観光地)・騒音等 が印象に大きく影響しますが、 これらは本質とは別の要素なので今回は一切考えないことにします。


 ます最初に  本質的ビミョ〜 を探るための基準を定めます。

 国土地理院によると 「 滝とは、流水が急激に落下する場所をいいます。ふつうは 高さが5メートル以上 で、  いつも水が流れている 有名な滝や好目標となる滝を表示しています (国土地理院HPより引用) 」


 次に数多くの滝が存在する 赤目四十八滝 に、定めた基準を当てはめてみたら、何が見えてくるのでしょうか?


 赤目四十八滝 は 日本の滝百選 に選ばれており、  個性豊かな滝や、その周囲の景観も含め非常に愉しめる 場所ですが、 まず全体を把握するため、以下にパンフレットや案内等で 名称が確認できる滝 を一覧にしてみました。


 基準を当てはめる前に、 「あれっ?」 と疑問に思うのは滝の数です。
 なにしろ 滝名の半数以下 、これって 「タイトル詐欺?」 「残りの25滝は?」

 既に ③のビミョ〜 の香りが少し漂っています(笑)


一覧表(赤目四十八滝) ただ、これについては現地で三度も出会った  (最初は挨拶のみ、二回目は説明を受けると同時に雑談・三回目は感想&謝意表明と別れの挨拶) 人から教えて頂き解消されます。


 四十八 には 数が多いことを表す ・ 仏教 (四十八願) の二つの説があるようです。 なるほど、確かに23滝ともなれば一箇所にある滝としては十分多い。 「えっ?何かスッキリしない?」 ですよね、私も十分に納得できず・・・。


 すると 微妙 な心境を察したのか、すぐに 梅雨の時期や大雨の後には、 それこそ数え切れないほどの滝が姿を現し、恐らく倍の 百滝以上 になります とのことで、個人的には一応納得できましたが、皆様はどのように感じたでしょうか?


 長くなりましたので、続きは次回に・・・


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行者滝・赤目四十八滝

【 アクセス等 】

 観光地なので特に問題ないと思います。 入山料(観瀑料)500円 駐車料800円 がかかります。

 所要時間は、この滝までは5分程度ですが、最後の巌窟滝まで足を延ばした場合、片道約90分程度(往復3時間)のようです。
 私は撮影しながらゆっくり散策したため、結局往復で倍の6時間程度かかりました。



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